(:3[kanのメモ帳]

個人ゲーム開発者kan.kikuchiのメモ的技術ブログ。月木更新でUnity関連がメイン。

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「ゲーム会社に入るためにどうしたらいいか?」の最適解はシンプルに「いますぐゲームを作る」なのか?【雑記】


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はじめに

何の気なしにした以下のツイートが軽くバズって(?)いるようで、色々な方から様々な意見を頂きました。



それで補足したい事が山程出てきたのですが、そういうのにTwitterは不向きですし、

せっかくなので、まとめて記事にでもしようかという次第です。

正直、想像外の意見もあって結構面白かったので、それを紹介したいという目論みもあったりします。


なお、「そもそもお前誰やねん」という方は以下のツイートを参照の事。





最適解

そもそも、件のツイートにおける「最適解」というのは

「(基本的には新卒で)ゲーム会社に入るという事を目的」とした場合に

「僕が考える一番成功率の高い手段」という意味合いで使いました。

あとあと考えると誤解を生むあまり良い言葉選びではなかったなと思っています……。


当たり前ですが「人によるし、会社によるし、時期によるし、例外もある」という話で、

一概には語れないとは思うのですが、まぁそれを言ってしまうと

この手の話が一切出来なくなってしまうので、その辺りには目を瞑って頂けると幸いです。


さて、次項からは件のツイートにあった

意見(誤解も含む)に対して、自分の意見や補足を書いていく感じになります。


なお、意見を否定したり晒したりしたいわけではないので意見の元は載せてませんし、

分かりやすいように簡略化したり、似た意見をまとめたりもしています。


目的が大事派

これは「ゲーム会社に入る」というのは手段であって、

例えば「自分の好きなゲームを作りたい」「大作ゲームの開発に関わりたい」

「お金を稼ぎたい」「楽しい仕事をしたい」等の目的の方が大事だよ、という意見です。


これは僕もその通りだと思いますし、今回の話に関わらず、

「目的を明確にし、そこから手段を考える」というのはとても大事です。


ただ前述の通り、件のツイートは「ゲーム会社に入るという事を目的」とした話なので、

ちょっと誤解があったのかなという印象。


おそらく話をややこしくしてるのが「ある目的はより上位の目的の手段」というやつで、

以下のように目的か手段かは視点によって変わります

  • 大作ゲームの開発に関わりたい(目的)
    • ゲーム会社に入りたい(目的)、入る(手段)
      • いますぐゲームを作る(手段)


まぁTwitterは1文が短いですし、僕を含め気楽にやる人も多いので、

この辺りの誤解はしょうがないのかなと思います。


ゲーム作らなくてもゲーム会社入れたよ派

僕も「ゲームを作らないとゲーム会社に入れない」と思っているわけではなくて、

この意見の通り、ゲーム会社に初めて入る大多数の人はゲームを作った事がない人だと思います。

というより、だからこそ「ゲームを作った事がある」というのが武器になると考えている感じです。


なお、これと関連して「ゲームを作るのは大変だよ派(だからこそ価値がある)」という意見もありました。


ゲームを作るだけではダメ派

これは「ゲームを作ってるのは当たり前。それプラス専門性が必要」みたいな感じの意見です。

確かに一部の超大手企業や中途採用の場合は作ってるだけで採用されるのは難しいと思います。


ただ、これは対象の企業と自身の年齢によって話がだいぶ変わるので、

最初に出た「一概には語れない」タイプの話かと思います。

少なくとも新卒であればここまで求められるのは稀だと思います。


また、類似の意見で「グラフィッカーを志望しているのに作ったゲームの絵がフリー素材」みたいな

作ったゲームと職種がミスマッチしてる場合はダメというのもありましたが、

これは本当その通りで、アピールポイントにならない所かマイナスにもなりえるので、

よく考えて職種は選びましょう。


ゲーム作ってたけど入れなかったよ派

これは「いつ、どこに、だれが」で大きく変わる「一概には語れない」タイプの話ですが、

「ゲームを作ってれば"絶対に好きな"ゲーム会社に就職出来るわけでない」という大事な話です。


僕もゲームを作っていればゲーム会社に就職出来る可能性は飛躍的に上がるとは思っていますが、

多くの人が第一志望に挙げるような人気企業はそれでも難易度は高いと思いますし、

どの企業でも絶対に就職出来るとは思いません。

とは言え、可能性を上げるという意味では一番ではないかなといった感じです。


専門分野を磨きたい派

こちらは「ゲーム全体を作りたいわけではなく、ゲームグラフィックやゲームプログラムを極めたい」

という感じの意見です。


これは「ゲームを作らないとゲーム会社に入れない」という意味だと思ったという

誤解から生じた意見だとは思いますし、

実際、一部の能力が抜群に高ければ就職する事は難しくないと思います。


ただし、専門外の事が意外と専門分野に生きてきたりしますし、

仕事では他分野の人とも連携しやすくなったりもするので、

専門性がある人でも一度ゲーム全体を作ってみるというのはオススメです。

(というより専門性がある人が一人で作るゲームは化けるイメージがある)


ゲーム作るより応募した方が早い派

「ゲーム作るなんて遠回りせず、さっさと応募した方が早い」という意見もありました。


確かに、何もせずに就職できればそれより早い事はありませんが、

「現実問題としてそれが可能なのか」という話になると思います。


特にゲームを作った事がなく「プログラムも絵も書けないから企画」みたいな人が書いた企画書が、

就職においてプラスに働く事はまずないと思いますし、

プログラミングやデザイン等のスキルを1から武器になるほど身に着けるのは、

個人的に一人でゲームを作るかそれ以上に高難易度だと思っています。

(最初からそれらのスキルを持っていれば話は別)


ただ、現在市場が右肩上がりで、常に人材不足なゲーム業界なら、

恐らく「どこでも&どんな仕事でも良いからゲーム会社に就職する」というのは可能な気はします。

もちろんそういう所は職場環境や仕事内容は想像に絶すると思いますので、

本当によく考えてから応募してください……!!


ちなみに「ゲーム会社なんて入らない方が良いよ派」

そういう所に就職してしまった不運な人なのかなと思ったりもしました……。


ゲーム作る前にゲーム会社に入った方が効率的派

これは「一人でゲーム作るより、会社入った方がゲーム作る能力が早く付くよ」という意見です。


これは本当その通りで、独学だと教えてくれる人がいないので遠回りになってしまいがちですし、

仕事だと責任感も生まれるので学習スピードが上がりやすいです。


ただし、これは就職できたらの話なので、今回の趣旨とはズレている気がします。


なお、インターンやバイトでゲーム会社に潜り込むという案が個人的にはかなり好きです……!


ゲーム作れるならゲーム会社に入る必要ないよ派

これは「既にゲームが作れるなら、自分でゲームを作れば良いのでは?」という意見です。


確かに「(自分の好きな)ゲームを作るためにゲーム会社に入る」という目的ならその通りなのですが、

ほとんどの人の場合、「(生活できるだけの)お金を稼ぐ」というのが更に上位の目的にあります。

(もしくは「安定してお金を稼ぐ」や「会社に属する」という目的の場合も)


また、個人で作れる規模には限界がありますし(たまに限界を超える人もいますが……)

前述の通り、ゲーム会社に入った方が効率的にゲーム開発能力が身に着くというのもあるので、

一概に「個人でゲームが作れる(稼げる) = ゲーム会社に入る必要はない」にはならないと思います。


学歴の方が大事派

「ゲーム作るより勉強して良い大学に行った方が良いゲーム会社に就職出来るよ」

という意見もありました。


僕個人としては「学歴よりゲーム開発の実績と経験の方が何倍も大事だし評価されるはず」

と思ってはいるのですが、実際「大卒以上」という感じで脚切りしてしまう企業も珍しくないですし、

そもそも僕が(大した大学ではないとは言え)院卒なので説得力が皆無です。


まぁこれは最初に述べた通り「目的を明確にし、そこから手段を考える」を大事にして、

ゲーム開発と学歴のどちらかを取るのではなく、両天秤で行けば良いのではないかと思います。


少なくとも学歴は必要条件になる事はあっても、十分条件にはなる事はないと思いますし、

ゲーム開発経験は必要条件にも十分条件にもなりえると思います。


ただし、学び始めるのは早ければ早い方が良いと思ってるので、

「大学に入ってからゲーム開発を始める」みたいなのはオススメしません。


個人でゲームが作れると知らない派

これは自分の中で盲点だったのですが、

そもそも「個人でゲームを作るという選択肢を知らない層もいるのでは?」という意見です。


最近ではインディーズゲームが家庭用ゲーム機で発売される事も珍しくなくなったとは言え、

それでも個人でゲーム作る人、さらにはそれで生活している人がいる

という事を知らない人がいても別段おかしくありません。


また、「ゲーム = 大企業が作るような高クオリティ大規模(AAA)」という認識がある人もおり、

「ジャンケンだけのゲームだろうとゲームはゲーム」という考え方がない場合もありえます。


もちろん、熱意があれば自ずとそういう情報に行き着くというのもありますが、

誰しも最初からそこまで熱意があるとは限りませんし(僕もそうだった)、

正直、こういう「知る機会」というのは自身にはどうしようもない所もあるので、

単純に自分が幸運だったという事を知れたのは良い機会でした。


なお、この意見を裏付けるような意見もたくさんありました。

  • ゲーム作れないから会社に入る派 : 独学で学べる&作れるという事を知らない
  • プログラマーだけでしょ派 : プログラム無しでも作れるという事を知らない
  • 一人でゲーム作れるわけない派 : 一人で作ってる人がいるという事を知らない



ゲーム会社に入りたいのであって、作りたいわけではない派

「ゲーム会社は給料が良いらしい(?)」「ゲーム会社はモテるらしい(??)」みたいに

そもそもゲームを作りたいわけではないけど、ゲーム会社に入りたい人もいるようです。

頑張ってください!


忙しくてそんな暇ない派

「忙しくて出来ないと言う奴に時間が出来ると、次はやる気がないと言う」


おわりに

たった1ツイートからこんなにも色々な意見が出たのは本当に面白かったです。

まだまだ違った意見はあると思うので、もし他にもあればコメントなどを頂けると幸いです。

とは言え、討論や喧嘩をしたいわけではないので、そういった類のものはご勘弁ください……!


余談ですがゲーム作ってたらゲーム会社になった人(?)もいるようです。(しかも探すと結構いる!)