(:3[kanのメモ帳]

個人ゲーム開発者kan.kikuchiのメモ的技術ブログ。月木更新でUnity関連がメイン。

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本ブログの運営者kan.kikuchiが個人で開発しているゲームです!


個人でSteam用VRゲーム(札束風呂VR)を作って、いくら稼げたのか【お金】【プロモーション】【Steam】【VR】


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はじめに

今回は4月3日にSteamでリリースした「札束風呂VR」



売上などのデータを公開しちゃおうという感じの記事!

ついでセールの効果やプロモーションについてもまとめています。


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この手の情報はBeat Saberのような大ヒットソフトのものなら結構ありますが、




個人規模のものは全然なく(そもそもソフト自体が少ない)、

VRゲーム市場の規模感が分からないみたいな話をよく聞くので、記事にしてみた感じです。


ちなみにSteamは売上などのデータを公開しても問題ないそうです。

(心配だったので問い合わせた)

Steamにおけるゲームの売上について他の開発者や第三者と、または公に話がしたいというパートナーからの問い合わせを頻繁に受けてきました。 そこで、機密性に関する条項を更新し、パートナーがゲームの売上データを、必要に応じて共有できることを明示しました。




札束風呂VRとは

まずは札束風呂VRとはなんぞやという話からですが、

タイトル通り、VRで札束風呂を含めた富豪体験ができるようなものです。

VRゲームというよりかは色々なネタを仕込んだVRエンタメ(?)みたいな感じです。



元々は「VRで何か作りたい」「開発合宿で軽くなにか作ろう」「Oculus Goなら合宿でも開発しやすい」

みたいな感じでOculus Go用に開発し始めたものだったのですが、




残念ながらOculusさんに「理由は教えないけどリジェクト」と相手にしてもらえなかったので、

Steam向けに改良し、めでたくリリースと相成った感じです。



そもそもが「VRで何か作りたい」という動機だったの、がっつりゲームを作るというよりも

いっそゲーム性(目標や競技性)を捨てて、ネタ系を短時間で作ろうとしたので、こういう形になりました。

まぁ作ってくうちにネタを色々思い付いてしまって、結果、結構時間はかかってしまったのですが……。


また、ローカライズのコストを省くため

テキストは基本なし、UIはアイコンだけにして全言語対応しています。


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数値

では本題の各種数値についてです。

なお、他にも知りたい数値があるという場合はコメントしてもらえると後から載せるかもしれません。

(公開出来ない数値、調べるのが不可能 or 困難な数値は無理ですが……)


売上

いきなり大本命の売上についてですが、

リリース日の4/3から5/16の44日間(58%OFFセールをした5日間を含む)の

売上本数は1,216本、売上金額は$3,465でした!

(ただし、Steamの手数料やキャンセル分は含んでいません)


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1ドル110円で日本円に換算すると381,150円

1発当たったと言うほど夢のある話ではありませんが、

決して少ない額でもないという感じになりました。


なお、事前に売上予想のアンケートをしてみましたが、

なんと正解が一番投票率が少ないという結果に……!

(4つしか選択肢が作れない都合上、作為的な選択肢というのは否めませんが)



売上の推移をグラフで見てると以下のような感じで、

リリース時とセール時に多く売れてるという至極当然の結果がよく分かります。


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ただ、ピークを過ぎたら1日あたりの売上はほぼ0になると思っていたのですが、

少ないながらも(1日5本とか)売上が安定しており、ソフトが少ないVRだからこその傾向が出ました。


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この傾向はヒット作だとより顕著になるようです。

非VRゲームは発売から時間とともに売り上げは減少していき、人々は新しいゲームを購入するようになるが、VRの場合「ベストセラー」リストに入っている作品の売り上げ数は、ヘッドセットを購入した人の数と密接に関係していると述べた。


ちなみに地域別だと以下のような分布になっており、中国+日本で7割近い売上になっています。


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ウィッシュリスト

次にウィッシュリスト(欲しい物リスト、ブックマーク的なの)への登録件数についてですが、

リリース前の3/1から5/17の77日間(58%OFFセールをした5日間を含む)で以下のようになりました。

  • 全ての登録件数 : 5,444
  • 登録後に削除した件数 : 320
  • 登録後に購入した件数 : 439
  • 他の人に送った数 : 11
  • 現在の登録件数 : 4,674

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登録件数が一番増えたのがリリース日で、1日で433件も登録されました。


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また、リリース前の登録件数は計597件で、そのうちリリース日に購入されたのが38本なので、

リリース前にウィッシュリストに登録してくれた人がリリース日に買ってくれた割合は約6.3%です。


さらに、リリース日の売上本数は69本だったので、

リリース日に購入した人の中でウィッシュリストに登録していた人の割合は約55%という事になります。


つまり、リリース前にウィッシュリストの登録件数が増えたとしても、

リリース日にそれと同等の売上が見込めるわけではないが、

リリース日に買ってくれる人の過半数は事前にウィッシュリストに登録した人だったので、

事前にウィッシュリストを公開しておくのは意味がありそうという感じになりました。

(売上の初速が増し、ランキングが上がりやすくなるので)


まぁリリース前には価格も公開されないので、

ゲームの内容と価格によってこれらの割合大きく変わるとは思います。


表示回数、訪問回数

Steamは表示回数や訪問回数も自動で計測してくれるのですが、

リリース日の3/1から5/17の77日間で表示回数が8,421,948回、訪問回数が310,327回でした。


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なお、表示回数は新作やオススメなど、

ストアページに飛べる画像のリンクなどがSteam上で表示された回数の事で、


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訪問回数はストアページが表示された回数の事です。



表示回数、訪問回数の内約は以下のようになっています。

ここで、ホームページはおそらくSteamのトップの事で、

タグページはゲームに付いてるタグで検索した時のページ、

コンテンツハブはVRや対応デバイスなどの属性で検索した時のページの事になります。


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Steam上で有料の広告を出したわけではなく(そもそも存在しない)、

かつ、外部からの流入もそれほど多いわけでもないのに


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これだけの表示&訪問されているというのは広告費をかけにくい個人開発にはかなりありがたく

さすがSteamという感じでした。(VRだからこそという可能性はありますが)


ちなみに、さらに詳細は見てみると以下のような感じ。


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やはり人気や新作と行った場所の回数が多くなっています。


レビュー

これは誰でも見れる数値ですが、現状のレビュー件数は16件になっています。


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Steamにはレビュー件数に50を掛けると、だいたい売上本数になるという説があり、

現状の数値だと札束風呂VRに関してはあまり当てにならないように見えますが、

セール前は結構この説に近い感じの値でした。


なお、好評不評に関わらず、全体的にちゃんとした(?)レビューが多く

スマホアプリのレビューとはかなり違うという印象を受けました。


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開発時間

一応、開発にかかった時間も載せておきます。

アップデートや審査対応も含む合計時間は449時間でした。


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ただし、前述の通りOculusの対応にかなり時間を取られた上に結局リリース出来なかったので、

最初からSteamだけにしていれば、おそらく100時間以上は削減出来たと思います。


意味があるかは分かりませんが、売上を時給換算してみると約849円になりました。

これを多いと思うか少ないと思うかは貴方次第……?


ちなみに開発時間の計測にはいつもTogglというサービスを使っています。





開発費用

最後に開発にかかった費用もまとめておきます。

なお、Steamのリリース料$100は$1,000以上の売上が出ると返ってくるので除外しています。

項目 値段
アセット 66,000円
Oculus Rift 45,000円
WinMR(Lenovo) 34,749円
合計 145,749円


売上が381,150円だったので、利益は235,401円という事になり、

これを時給換算してみると524円になりました。これを多いと思うか(ry


ただし、他にもVRを動かすためのPC(294,688円)やVIVE Pro(94,000円)、Oculus Go(23,800円)も

費用と言えば費用ですが、これらは札束風呂VRの開発以外でも使っているので除外しました。

(Oculus RiftやWinMRは今の所、札束風呂VRの開発以外で一切使ってない)


また、アセットの金額は正確な値ではありません。

と言うのも、買ったけど最終的には使わなかったものや、元々買ってあったものを使ったりしたので、

札束風呂VRのために新規で買ったやつだけをざっくりとまとめた感じになっているからです。


なお、使用したアセットは以下の記事にまとめてあります。





セールの効果

前述の通り、ウィッシュリストの登録件数がかなり多くなっていて、

「これはセール待ちというやつで、セールをすれば結構な数の人が買ってくれるのでは?」

と思い、5/8 : 16:00 ~ 5/13 : 16:00の5日間、58%OFFのセールを実施しました。

ここからはそのセールの結果についてまとめていきます。


なお、Steamはセールの期間や割引率をある程度自由に設定できますが、

連続でセールする事は出来ず、最低でも次のセールまで2ヶ月開ける必要があります。

ただし、Steam全体のセールは例外で、しかも個人のセールと重複させる事も可能です。

ちなみに全体セールの割引+個人セールの割引で割引率が100%を超えると買えなくなるそうです。


また、今回はいきなり58%OFFという破格のセールにしましたが、

Steamのドキュメントには徐々に割引率を下げた方が良いとありました。

通常、時間と共に段階的に割引率を上げていくのが最適です。 例えば、1年より長い時間をかけて 33%、半額、66%、75%へと割引率を徐々に移行していくのがいいでしょう。 ローンチ直後に半額や75%引きといった大きな割引を急いで行うと、定価で購入した顧客に悪い印象を与えるばかりか、製品価値へ悪影響を与えます。


ただ、これだと20%OFFで買った人に30%OFFの時に悪い印象を与えるように

割引率を上げる度にそれより前に買った人に悪い印象を与え続けるのが微妙な気がするし、

どんどん下がるので最安値を待ち続ける人が出て、結局買わないみたいなパターンもありそうなので、

いきなり高い割引率にして、今後もセールをする時は同じ割引率でやる感じにしてみました。

(今後違うゲームを出した時に、Steamの勧めるやり方でやってみる可能性は有り)


ウィッシュリスト

「セールをすればウィッシュリストから買う人がいっぱいいて、ウィッシュリストの登録件数は減る」

と思っていましたが、実際はセールの結果、ウィッシュリストの登録件数は増えました。


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(濃い緑がウィッシュリストに追加した人、薄い緑がウィッシュリストから買った人)


数にすると、ウィッシュリストに新たに追加した人は850人

ウィッシュリストから買った人は280人で、セール期間中に570人も増えました。


ウィッシュリストの登録件数が増える事自体は良いことなので、問題があるわけではないのですが、

予想外の結果に結構驚きました。


売上とランキング

売上を見ると、やはりセールのおかげでかなり増えました。

日数 売上本数(ウィッシュリストからの購入数)
1日目 235(140)
2日目 131(43)
3日目 134(49)
4日目 93(32)
5日目 74(16)
合計 667(280)

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こうして見ると、セール中に購入した人の中でウィッシュリストから買った人の割合は約42%で、

セール外でウィッシュリストから買った人の割合(約29%)と比較してもかなり高い値になっています。


また、セール開始前の時点で、ウィッシュリストの登録件数は4127件だったので、

セール前にウィッシュリストに登録してくれた人がセール中に買ってくれた割合は約6.8%でした。

(偶然なのか、前述したリリース前の話の約6.3%と結構近い値)


つまり、

ウィッシュリストの件数が増えたとしても、セール時にそれと同等の売上が見込めるわけではないが、

セール時に買ってくれる人の多くは事前にウィッシュリストに登録した人だったので、

ウィッシュリストの登録件数が少ない時にセールをやるのは微妙かもしれないという感じになりました。


ちなみに、VRカテゴリの売上(おそらく本数)ランキングは、ほぼ圏外から5位まで上昇しました。


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レビュー

セールの結果、売上本数が増えたので、もちろんレビューの件数も増えた(10件→16件)のですが、

レビューの総評(好評と不評の割合)がセール前は好評だったのが、

セール後には2段階下がって賛否両論になってしまいました。


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これが、セールの結果、レビュー件数が増えて上振れだった評価が適正なものになったのか、

定価で買わない層や定価で買うほどは興味がない層が買った結果なのかは判断が難しい所です。


プロモーション

この項では札束風呂VRで行ったプロモーションについて紹介していきます。


と言っても、実は個人ではほぼ何もしておらず、

Steamのプロモーション機能の紹介みたいな感じになっています。


ちなみにSteamにはプロモーションを含めたマーケティングについてのドキュメントもあります。



Steamのドキュメントはプロモーションの項目以外も多岐に渡り、

日本語にも対応していて、アドバイス的な事が充実している上に

開発者登録してなくても見れるオススメの資料です。


Steam上での紹介

「表示回数、訪問回数」の項で示した通り、何もせずともSteamは至る所でゲームを紹介してくれます。

もちろんこれらは、ゲームの質や評判で待遇は大きく変わると思いますが、

VRの場合はソフトが少ないという時点でかなり良い状況である気がしてます。


例えばSteamには話題の新作という場所がありますが、

この項目はカテゴリごとの場所、つまりVRだけの話題の新作もあります。


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「話題」という事はおそらく新作でも載らない可能性があると推測されますが、

VRソフトはそもそも数が少ないので、ここに載らない事はない感じで、

リリース直後の宣伝に一役買ってくれます。


同様に売上トップもソフトが少ない影響で、販売本数がそこまで多くなくとも載る事ができ

リリース後やセール時に相乗効果を生み出してくれます。


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さらにセール中はおすすめもされやすいようです。


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ちなみに、どれぐらいVRソフトが少ないかと言えば、

リリースから一ヶ月以上たったソフトが新作に残っているほどです。


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キュレーター

Steamにはキュレーターという、ゲームの紹介をしてくれる人達(組織)がいます。



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そして、そのキュレーターと開発者を繋ぐ、キュレーターコネクトというシステムもあります。

キュレーターコネクトは、ゲーム開発者がレビュー用のコピーを、適切な意見や感覚、オーディエンスを持った Steam キュレーターに簡単に送信できるようにデザインされています。キュレーターコネクトでは、開発者が最もふさわしいキュレーターを探すための検索およびフィルター機能に加え、レビュー用のコピーを Steam 経由で即時に直接送信できるツールを提供しています。キュレーターコネクトでは、開発者が最もふさわしいキュレーターを探すための検索およびフィルター機能に加え、レビュー用のコピーを Steam 経由で即時に直接送信できるツールを提供しています。わずらわしいメールやキーはもう必要ありません。


そのキュレーターコネクトを使って61個(最大100個)のキーを送った所、

48人がプレイというかキーを使ってくれて(13人期限切れ)、9人がレビューをしてくれました。

(レビューしてくれているのに、キーを使ってないのは既に買っていた?)


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なお、このレビューというのは通常のやつレビューとは別物ですが、

普通にレビューすることも可能で、実際に2件されていました(どちらも低評価)。


ただし、一覧には表示される際にアイコンが違う(直接購入以外は全部違う)ようで、

合計レビュー数には含まれず、総評にも影響がないみたいです。


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試してみた結果、そこまで大きな影響を期待出来る感じではなさそうですが、


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確実に見てくれる人は増えますし、

何よりキーを送るだけでやりとりが必要ない(メッセージは追加出来る)という手軽さ、

さらにお金もかからないため、非常に楽な宣伝方法です。


ただ、キーを送ったら、もう2つキー送ってくれという返信をされた事もあったので、

場合によっては慎重になった方が良いかもしれません。(外部でキーが売られる可能性がある)


またキュレーターとは関係ありませんが、ついでにキーをくれというメールはちょくちょく来ました。

悪質なものになると有名人の名前を使ってくるので、注意が必要です。



そもそもまともな所はキーをくれなんて言ってこないと思うので、

基本的に無視した方が良さそうです。


WinMR対応とアップデート露出ラウンド

元々WinMRは持っておらず、シェアも10%ほどしかないので、


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当初はWinMRに対応していませんでした。


しかし、WinMRを非サポートに設定出来るものの、購入や起動は出来てしまうので、


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それにより「WinMRのコントローラーが動作しない」と3件も低評価を貰ってしまいました。

(当時レビュー総数10件、うち低評価4件)


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なのでWinMRを購入し、対応のアップデートをし、


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先ほどの3件の低評価レビューに返信をした所、1件は評価を好評に変えてくれました。

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そしてこのアプデをした時に気付いたのですが、

Stemaにはアップデート露出ラウンドという機能があるようです。

アプリケーションの大型アップデートや、新しいコンテンツの追加、新しい DLC のリリース、新機能の登場などは、製品に関する告知を新旧ユーザーに向けて再度実施する絶好の機会です。 Steam にはまさにそのための機会が備わっています。


これはアップデート後にその内容を最大30日間も無料で宣伝してくれるというものです。

ただし、1アプリに付き5回までしか実施出来ず、表示回数やクリック数は、

ゲームの売上数とウィッシュリストに追加したユーザーの数によって変わるようです。

(おそらく元々人気なほど宣伝も多くなる)


本当は大型アップデートのようにここぞという時に使う感じらしいのですが、

大型アップデートする予定もないので、WinMR対応でアップデート露出ラウンドを実施してみました。


開始から15日間(5/5 ~ 5/20)経過し、まだ続いている段階ですが、

15,879回表示され、428回クリックされました。


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hisabilly氏

今やゲームのプレイ動画がゲームの売上に多大な影響を及ぼすようになりましたが、

VRゲームに関しては、そもそもプレイ動画を上げてる人が限られています。


そんな中で、数々のVR動画を作り、数多のバズを生んでいるのが

世界一VRカノジョを楽しんでいる男ことhisabilly氏です。



このhisabilly氏に、特に連絡したわけではありませんが、

発売日に札束風呂VRを買ってくれたようで、さらに5本も動画をあげてもらえました!






さらに、動画だけでなくリンクも紹介してくれていて、

これらは少なからずゲームの認知や売上に影響していると思います。



実はもともとhisabilly氏の事は知っていて、どうにか遊んで貰えないかと検討した結果、

コントローラーを手に変えられるという仕様を追加したという経緯があったりもします。

(hisabilly氏は手が出るVRゲームしか動画にしておらず、必須な気がしたので)


リリース後にキーを贈ろうかとも思っていたのですが、

それよりも先に動画作ってもらえて、本当にありがたかったです。


ツイッター広告

少しでもリリース時の初速を上げるためリリース時のツイートに広告を打つ予定だったのですが、

残念ながら広告のポリシー違反で却下されました。(エロ的なやつ)



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ちなみに動画をなくして、Steamのリンクだけでツイートしても却下されましたが、



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自分で書いた札束風呂のリリース記事のツイートは広告が打てました。



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ただ、リリースから結構たっていたのと、紹介記事の広告という

関節的な形になってしまうので、試しに5,000円分だけやって、その後はやりませんでした。


売上公開記事(本記事)

(この項は本記事を公開してから数日後に書いています)

おかげさまで本記事は多くの反響を頂き、

公開初日と次の日はPV数がいつもよりかなり多かったです。


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とは言え、札束風呂VR自体の売上に影響があったかと言えばほぼありませんでした。


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ただ、「売上公開は製品の宣伝にはならない」というのは予想していた通りだったりします。

ある程度、製品を知ってもらえるという事はあると思いますが、

やはり売上に興味を惹かれる層と実際に遊ぶ層は違いますし、

そもそも「売上や開発時間はこれくらいなんだ!じゃあ遊ぼう!」とはならないのは当然の事です。

(もちろん凄いヒット作なら話が変わる可能性はありますが)


じゃあなんでこんな記事を書いたのかと言えば、ずばり「kan.kikuchi個人(+ブログ)の宣伝」のためです。


前に別の記事でも書いたのですが、

僕はkan.kikuchiという個人として広めていくという方針を取っています。

と言うのも成果物全てが成功するのは難しいですし

新しい事をやるたびに0からのスタートというのは厳しいので、

個人開発で食べていく事を考えると、作ったゲームや技術ブログを単体で宣伝するより

それらも含めたkan.kikuchiという個人として広めていった方が良いだろうと考えたからです。


つまり「SteamのVRゲームの売上などのデータ」というレアな情報をせっかく手に入れたのだから

それを「自分の宣伝」に活用するため、記事を書いたという感じです。


ちなみに記事公開後、Twitterのフォロワーは1日で30人ぐらい増えました。






SteamのVRゲーム市場は個人開発者向き?

元々、VRゲーム市場はユーザがそれなりにいるが、

色々な企業がこぞってゲームを投入するほどではない(そこまでリターンは見込めない)という、

個人開発者には理想的な環境だと思っていましたが、

リリースしてみて、やはりその通りだという確信を得られました。


ヒットした時の爆発力はスマホやPCの非VRゲームには劣るとは思いますが、

そもそも、それらはリリースされるゲームが多過ぎて、認識さえされないという事が非常に多いので、

少なくとも新作一覧などで結構な人に認識されるVRは、

意外とゲーム開発初心者にこそオススメな気すらしています。


もちろん開発機材を揃えるという意味では金銭的なハードルが高いですが、

だからこそライバルが少ないですし、スマホのようなマルチOSの対応をするよりかは

マルチハードの対応の方が圧倒的に楽だったので、技術的なハードルは意外と高くないです。

(あくまでマルチOS vs マルチハードの話、当たり前ですが作るものによって技術的なハードルは変わる)


あとは基本有料で大丈夫という、広告というかマネタイズを考える必要がないのも、かなり嬉しいです。


結論としては、「これ1本で食べて行く!」「一発当てて億万長者!」というのは難しいですが、

「個人でゲームを作ってそれなりに稼ぐ」というのはかなり現実的みたいな感じです。


ただし、VRと言っても個人開発者のOculus GoやQuestへの参入はオススメしません。

個人的にデバイスとしてはスタンドアローンの方が好きなのですが、

Oculusは前述の通り審査周りがだいぶアレな上に、さらにOuclus Questでは

現状VRソフトが不足しているのに厳選するという、クレイジーな事をするみたいだからです。



デバイスとしてはスタンドアローンが一般的になっていくとは思いますが、

とりあえず当面は個人開発者としてはSteam一択という感じがしています。


おわりに

ずいぶん長くなってしまいましたが、僕が得た情報や知見は以上です。


まだVRゲームは1本目なので、これが成功なのか失敗なのか、いまいち判別が付いていませんが、

リリース前の売上予測は10万(目標は100万円!)だったので、

個人的には良い方だったのではないかと思っています。


なお、今後もちょくちょくセールをしていくので、

1年ぐらいしたら、またデータをまとめて公開するかもしれません。


あと、ネタ系ではなく、ゲーム系(?)のVRゲームもいつか出したいと思っています。