はじめに
新作ゲームをリリースしました!その名も「SLASH OF BULLET」です!!(もちろんUnity製)
リリースセールで5月1日まで10%オフの899円!なにとぞよろしくお願いします!
ゲーム内容は剣を振って斬撃を飛ばし、敵ロボットを切りまくる爽快感抜群の新感覚VRゲームです!
ちなみにゲーム中にスキルを獲得する事ができ、
そのスキルが特定の組み合わせになると武器の見た目も変わります……!
前作「縦笛なめなめVR」とはかなり方向性が変わっていますが、
今回はそこら辺の話や開発の経緯や、ついでに使用アセット等も紹介していきます。
開発の経緯
僕は元々スマホアプリのゲームを作っていたのですが、スマホアプリはいわゆるレッドオーシャンで、
これで食べていくのは自分には厳しいと思っていました。
そこで試しにSteamでVRゲーム(札束風呂VR)をリリースしてみた結果、
ブルーオーシャンと言わないまでも、自分にとって結構理想的な環境である事が確認出来ました。
元々、VRゲーム市場はユーザがそれなりにいるが、
色々な企業がこぞってゲームを投入するほどではない(そこまでリターンは見込めない)という、
個人開発者には理想的な環境だと思っていましたが、
リリースしてみて、やはりその通りだという確信を得られました。
ヒットした時の爆発力はスマホやPCの非VRゲームには劣るとは思いますが、
そもそも、それらはリリースされるゲームが多過ぎて、認識さえされないという事が非常に多いので、
少なくとも新作一覧などで結構な人に認識されるVRは、
意外とゲーム開発初心者にこそオススメな気すらしています。
また、VRゲーム個人開発者という比較的珍しい立ち位置が、
僕の「kan.kikuchiという個人として広めていくという方針」にも合っています。
と言うのも成果物全てが成功するのは難しいですし
新しい事をやるたびに0からのスタートというのは厳しいので、
個人開発で食べていく事を考えると、作ったゲームや技術ブログを単体で宣伝するより
それらも含めたkan.kikuchiという個人として広めていった方が良いだろうと考えたからです。
他にも「単純に新しい事がしたい」「フリーミアムモデルをやめたい」などの色々な理由があり、
最終的にはVRゲーム開発に踏み切りました。
そして前作「縦笛なめなめVR」からの大きく方向転換した理由は売上拡大のためで、
ざっくり言うとちょいエロやアニメ調はアメリカ(≒世界)では売れにくいと判断したためです。
また、縦笛の売上自体は満足しているのですが、
今後の新作ではさらに売上の拡大を狙っていくつもりです。
ですが縦笛と同様に日本をメインターゲットに据えて新作を作っても
これ以上売上を飛躍的に拡大させる事は難しい
(2倍3倍になる事はあっても10倍20倍になる事はない)
と考えているため今後は海外、最初はアメリカをメインターゲットにしようかと思います。
アメリカのVRカテゴリ売上ランキングで再度調査を行なった所、
可愛い女の子推しなのが200位中で2本しかなく(日本は100位中に13本)、
さらにアニメ調の女の子推しで見るとアメリカでは200位中に1本もありませんでした。
開発環境
開発環境についてですが、まずメインで使ってるのはiMac(Retina 5K, 27-inch, 2017)で、スペックは以下の通りです。
メモリ | 64 GB 2400 MHz DDR4 |
グラフィック | Radeon Pro 580 |
CPU | Core i7 |
Fusion Drive | 3TB |
基本的にMac上でSteamVR(SteamVR PluginのCameraRig)を使わずにエディタ上だけで開発し、
途中途中、Windows機で確認するというやり方をしていました。(Macの方が慣れているので)
ちなみにWindows機はドスパラで買ったGALLERIA FZというやつで、スペックは以下の通りです。
メモリ | 16GB DDR4 SDRAM |
グラフィック | GeForce GTX1080 Ti |
CPU | Core i7-8700K |
SSD | 720GB |
HDD | 3TB |
ディスプレイはMacがiMac含め3枚、Windowsが1枚の計4枚(全て27インチ)で、
それら近くに置くことで同時に作業しやすいようにしています。
(画像はちょっと古いですが、今もだいたいこんな感じ)
なお、VRデバイスは基本的にはOculus QuestをOculus Linkを使っていますが、
(Quest2は着脱がしにくく開発には不向きなため、初代Questを使用)
Valve Index、VIVE PRO、Oculus Rift、WindowsMR(Lenovo Explorer)でも動作確認をしています。
これより最終実機テストを行う! pic.twitter.com/j8udrgD4IW
— カン@ゲームクリエイター(Unity/VR/Switch/Steam) (@Kan_Kikuchi) 2021年4月22日
使用アセット(Unity Asset Store)
今回の開発にも色々なアセットを使ったので一部抜粋して紹介したいと思います。
ただし、Editor Console ProやSuper Text Meshと言った、
だいたいどのプロジェクトにも使うようなアセットは省略しています。
オブジェクトを切断
今回最も重要なアセットはMesh Slicerというオブジェクトを切断するアセットで、
このアセットがあったから作ったと言っても過言ではないくらいです。
わりと簡単に使えますし、処理も軽いので
何かを切断したくなった時にはオススメのアセットです!
3Dオブジェクト
マップには「cyberpunk - High City」という
高クオリティなのになぜか$6.11と激安なアセットを使いました。
また、メインの刀には「Sci-Fi Katana」というちょっとSF調の物を使い、
敵のロボットには「Bad Bots」と「Sci-Fi Turret Constructor」を使いました。
あとランキングや実績などを表示するのに「Sci-Fi Displays」も使いました。
エフェクト
エフェクトには全体的に見栄えを綺麗にする「Beautify 2」というポストプロセスのアセットや、
「Trails FX」という軌跡のアセットを使いました。
また、敵の弾やその弾の衝突時のエフェクトには「Sci-Fi Arsenal」を使いました。
発射時、飛んでいる最中、衝突時と3つのエフェクトがセットになっており、
さらにSEまで付いているのでかなり使い勝手が良いアセットです。
他にもちょっとした演出に使える「Epic Victory Effects」というアセットも使いました。
他
スキル用のアイコンには「Styled Skill Icons」を使いました。
用途を選ばない抽象的なアイコンが多いので、わりと何にでも使えそうです。
使用アセット(BOOTH)
今回はBOOTHのアセット(主に武器)も使いました。
Asset Storeと違って利用規約を各々が設定する感じなのでそこに気をつける必要がありますが、
Asset Storeにはないちょっと変わった感じのアセットが豊富なので、非常に重宝します。
なお、数が多いので一部抜粋で紹介という形なのであしからず。
おわりに
本記事は以上で終わりですが、数ヶ月したら「札束風呂VR」「縦笛なめなめVR」の時のように
売上(と開発費や開発時間)公開記事を書こうと思っているので、そちらも乞うご期待!
あと、App LabでOculus Quest及びQuest2向けにも出すつもりですが、
最初の審査が最大6週間かかるようなので、リリース時期は未定です。