(:3[kanのメモ帳]

個人ゲーム開発者kan.kikuchiのメモ的技術ブログ。月木更新でUnity関連がメイン。

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Fortnite上にUEFNでクソアプリ(ゲームマップ)を作ろうと思ったけど、クソアプリを作るのも普通に難しいという話【新作】【UEFN】


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はじめに

この記事はクソアプリ Advent Calendar 2023(シリーズ 1)の18日目の記事です。



ちなみにAdvent Calendarとはなんぞやという方は以下を参照の事。



今回はこのアドカレ用にUEFN(Unreal Editor For Fortnite)でクソアプリを作ってみた話です!


なお、UEFNとはざっくり言うとフォートナイト上で動くゲームを作るツールの事です。

「Unreal Editor For Fortnite(以下、UEFN)」は、フォートナイトのクリエイティブモードを拡張するかたちで登場した完全無料のPC向けゲーム制作ツールです。UEFNを使えば、フォートナイト上で動くゲームを、AAAタイトル開発などで使われるゲームエンジンのアンリアルエンジンに近い操作で開発できるようになります。


詳しくは以下の記事を参考の事。





何を作ろう?

UEFNで作られたマップは当然ながら遊ぶ&楽しむ目的のマップがほとんどで、

いわゆる便利ツールみたいなものは求められていません。


なので逆にカレンダーや日記と言ったツール系のマップを息抜きで軽く作ろうと思って参加しました。

しかしUEFNは以下のように制限がかなり厳しく、

  • 外部のサーバー等との通信は出来ない
  • 任意の形式でのデータの保存(永続化)は出来ない、数字だけならギリギリ可能
  • 画像の添付等のインプットはもちろん、文字入力すらかなり厳しい


ちょっとツール系は無理かな〜という判断になりました。


そこからクソゲーを作ろうという方向性になったのですが、

そこでふと「100万のタマゴ」という名作アプリを思い出しました。(ゴリゴリに知り合いのアプリ)

「3日でおもしろいアプリをつくる」って無理だと思ったので、逆に「誰もやりたくないアプリ」をつくろうと考えました。

それで「延々と画面をタップする」という苦痛な作業と、タップから連想して数字を数える「カウンター」を組み合わせたんです。


ただただ100万回たまごをタップするというアプリなのですが、これをパクってリスペクトして

100万回ボタンを押すという苦行マップを作ろうという結論になりました。


なんやかんや普通のゲームにしてしまう

ボタンを押すと数字が減っていって100万から0にするという機能はすぐに出来たのですが、

本当ただの苦行で、一応ゲームを作る事を生業としてる身としては物足りなさを感じてしまったのと、

ちょうどSwitchのリメイク版スーパーマリオRPGにハマっていたので、

タイミングよくボタンを押したら成功という機能を追加してしまいました。


不思議なものでそれだけでゲームっぽくなったのですが、

そうなると気分も乗ってきて更に面白くしようと改良を加えていってしまいました。

  • 連続で成功したらコンボしてより多く数字が減る
  • たまに当たり(レアキャラ)みたいな感じで、より多く数字が減る
  • 成功するとゲージが貯まり、ゲージがMAXになるとフィーバーモード
  • 最大20人で同時プレイ可能、100万はみんなで協力して減らせる
  • マップ内で、最大コンボ数や数字を減らした量でランキングを競える


ここまで来ると原型はほぼ100万という数字だけで、普通のミニゲームになりました。


見た目(モチーフ)にもインパクト、引きが欲しくなる

さらに、最初は「息抜きでクソアプリを1日で作ろう」ぐらいの温度感だったのが、

「ここまでちゃんと作ったなら売れたい」みたいな欲も出てきて、

見た目としてのインパクトや引きも欲しくなってきました。


そこで結構時間をかけて色々と検討した結果

「100個発注しようと思ったら100万個頼んじゃった!」

という、たまにネットでバズってるやつをより極端にしたものにしました。


さらにその頼んだ商品を季節物であるクリスマスケーキにする事で、季節感もプラス。


もちろんサムネイル(ストアで一覧表示される時の画像)も

ちゃんとストアのスクショに載せてちゃんと目立つかを確認しつつ作りました。


タイトルも検索に引っかかりやすいようにChristmasとSantaを含んだ

「One Million Christmas Cakes: Santa Panic」

に決定。(タイトルのローカライズは出来ないので日本語は捨てた)


そして実際に出来たのが以下のものです。





リリースした結果

そしてリリースした結果ですが、ビックリするぐらい遊ばれておらず現状の累計プレイ人数200程です。

ちなみに以前UEFNでリリースした

「Don't Touch Red!!」や「猫鬼」はどちらも30万人以上に遊んでもらっています。


これが凄いヒットして

「クソアプリ作ろうとしたのに、結局面白いもの出来ちゃってヒットしちゃった(テヘッ」

みたいな感じであれば格好も付いたのですが、

  • クソアプリというそもそもの目的からズレてる
  • 息抜きのはずが無駄に時間を掛け過ぎている
  • ゲームとして無難な感じになってしまった
  • 市場調査して作り始めたわけではないので、売れ線とも程遠い
  • ヒットもしていない


という何一つとして良い所がない結果で、一周回って(?)クソアプリが出来ました。


仮にそれが「クソアプリを作る」という事でも

目的を忘れて中途半端にやるのは良くないな〜と身に沁みた話でした。