はじめに
とある小説に「熱量と非効率は親和性が高い」という言葉が載っていました。
「どんなに効率の悪い事でも情熱さえあれば無理やり達成出来てしまう」
「むしろ非効率であるほど、より情熱が増す」
というような意味合いですが、良くも悪くもインディーゲーム開発にも当てはまるというのが今回のお話です。
良い意味で「情熱と非効率は相性抜群」
まずは良い意味からですが、お金的に非効率、つまり儲からないであろうゲームを好きという情熱で作れるという点です。
企業でゲームを作る場合、よほど特殊な場合を除いて売上が上がる見込みがないゲームは作れないと思いますが、インディーゲームではそれが可能です。
例えば、2016年にリリースされて今なお人気のStardew Valleyなんかはその最たる例です。
今でこそスローライフゲームはインディーや大手問わず人気ジャンルですが、Stardew Valley以前は本当に希少でした。(自分も牧場物語やルンファクのファンなのでよく分かる)
そんな「(当時は)人気ジャンルでもないゲーム」を「絵やプログラミングなどの経験もほぼ無い人」が「一人で4年もかけて作る」というのはまさに採算性度外視。
実際そもそもの目的は「プログラミングを上達するための手段」だったそうで、そんなに売れるとも思っていなかったようです。
他にも作業的に非効率という点ではCupheadが思い付きます。
終始よく動く絵はなんと全て手描きで、コストや効率を考えたら絶対に作れないタイプのゲームです。
しかし手描きだからこそ、初期ディズニーのような独特の雰囲気を再現出来てるわけで、それが魅力にも繋がっています。
悪い意味で「情熱と非効率は相性抜群」
次に悪い意味ですが、ざっくり言うと手段が目的になってしまっているパターンです。
よくあるのが、ゲームエンジンやIDEなど便利な開発ツールを(知っているのに)使わずに自力で頑張ってしまうというものです。
もちろん、
「自力で実装することで勉強になる」
「(Cupheadのように)便利なツールを使わない事で出る魅力がある」
「自力で作るのが楽しい」
など、その手段に対して明確な目的があれば良いのですが、「ゲームエンジンを使わない」などの手段自体が目的になってしまっては意味がないと思います。
特に「面白い物が作りたい」「売れたい」などの誰かに遊んでもらうために作ってるのであればなおさらです。
ユーザーからしたら、何で作ったかなんてのは関係ないですからね。
おわりに
非効率な事は当然辛く大変なので、
「辛い作業をこなしている = 自分は頑張っている」
となり、それがさらに情熱を燃やすため、相性が良いのだと思います。
ただし、その頑張りが自分にとって意味のあるものなのか、だたの錯覚なのかは常に意識していく必要がありそうです。