(:3[kanのメモ帳]

個人ゲーム開発者kan.kikuchiのメモ的技術ブログ。月木更新でUnity関連がメイン。

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ゲームに完成はない。諦めただけだ。【雑記】


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はじめに

とある小説に「芸術に完成はない。諦めただけだ。」というレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉が載っていました。
そこを読んで思ったのが「若干ニュアンスは違う気はするが、ゲーム開発も同じかもな〜」という事です。


少なくとも自分はゲームをリリースする時に「もうこれ以上やれる事はない」と100%満足した状態で出せた事は無いですし、
「作ってる途中に心が折れて諦める」
「作ってみたら思ったより面白くないから諦める」
「自分の能力的にこれ以上のクオリティアップは無理なので諦める」
「今以上に良くなる方法は分かるけど、時間がかかり過ぎるから諦める」
「もっと大規模なものが作りたいけど、完成しなくなるから諦める」
みたいに、諦める経験を無数にしてきました。


ただ、諦めると言ってもなにも悪い事ばかりではない(もちろん良い事ばかりでもない)よね、というのが今回のお話です。


諦める事でリリース出来る

ゲームは基本的に誰かに遊んでもらいたくて作っていると思います。なので、どれだけ凄い物面白い物を作っていても、リリースされなければ何の意味もありません。


なので、諦めずに永遠と作り続けるぐらいなら、どこかのタイミングで諦めてリリースする方が絶対に良いです。


特にゲーム開発を始めた頃はリリースする事や、実際にユーザーに遊んでもらって反応をもらう事の方が得られる物が多いはず。


また、身の丈にあってない規模のゲームを企画してしまい、リリースの目処が全く立たないという時は潔く諦めてしまったり、違う小さなゲームを作り始めるのも全然有りです。
ただし、それが癖になって全くリリース出来なくなるというのも問題ではありますが……。


諦めない事が面白さに繋がるとは限らない

諦めずに試行錯誤したり時間をかけたりするのが大事なのは当然ですが、諦めずに時間をかければ必ず面白くなるわけではありません。


凄く考えて時間をかけた物より、息抜きにパッと作った物の方が評価が良いなんて事はゲーム以外でもあるあるですよね。


なので、全てを諦めないという事は重要ではなく、諦める所と諦めない所、諦めるタイミングなどを考える事が重要なのだと思います。


大事でない所を諦めることで、大事な所が伸びる

特に個人や小規模な組織でゲームを作る場合、どこかを諦めれば他の所により時間が掛けられるようになります。
また、仕様的にも大事でない所を諦めなかったせいで、大事な所に制限がかかるみたいな事もよくあります。


例えばそのゲームにおいて大事でない所まで諦めずに頑張って、全部50点の平凡なゲームを作っても、良いゲーム(自分にとってもユーザにとっても)にはならないはずです。


逆に大事でない所はスパッと諦めて40点で妥協し、大事な所に出来る限り時間を使って100点に近付けていく方がゲーム全体の出来栄えが上がります。


一度諦めたからこそ、新しい発見を得る

「納得はいってないが、これ以上良くする方法が分からない」という事はどれだけ調べても、どれだけ考えても起こりえます。


その時に諦めずにひたすら試行錯誤するのも有りですが、一度諦めて現時点で最前だと思う方法で進めるのも有りです。


経験上、一度諦めて進めたからこそ発見があり、そこから良い案が出る事も多く、実際作ってみなきゃ分からない事も多々あります。


もちろん、そうなると作り直しになり時間はかかってしまいますが、ゲーム開発とはそういう物だと思うので、個人にしろ組織にしろ作り直しを許容出来る方が健全だと思います。


諦めてもアップデートで対応できる事もある

最近のゲームは良くも悪くもアップデートで後から変更が加えられるので、最悪諦めても後から対応できる場合もあります。


とは言え、大事な所まで中度半端で初動で滑った場合、アプデではどうにもならない事の方が多いので、アプデ頼みが出来るのは限定的かと思います。


そもそも諦める事がないのは、マズい状況かも

ゲーム開発において、
「何も諦めてない、完璧な状態で完成だ!」
という事は基本無いとは思いますが、もしそうなった場合は、出来る事しかやってない(挑戦していない = 成長しない)だけで、ゲームを良くする努力を怠っていると考える必要があるかもしれません。


おわりに

諦めるのも悪い事ではないという話を色々書きましたが、結局大事なのは
"何を目的にゲームを作ってるか"
"その目的のために何を諦める必要があって、何を諦めてはいけないのか"
の2つだと思います。


極論で言えば、
「ゲームを作る事自体が目的で、他の人に遊ばせる気はない」
なら何も諦める必要はありませんし、
「1日でゲームを作る」
ならだいたいの事は諦める必要がありますからね。