(:3[kanのメモ帳]

個人ゲーム開発者kan.kikuchiのメモ的技術ブログ。月木更新でUnity関連がメイン。

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本ブログの運営者kan.kikuchiが個人で開発したゲームです!

    

17,224円分の広告出稿結果.箱庭RPG2の場合【お金】【プロモーション】


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前置き


※結果は下から見た方が早いです.


TLに颯爽と現れたこちらのTweetが発端です.



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AppGraphy(アップグラフィー) [世界のiPhone/iPadのアプリランキングからオススメアプリを紹介]



これはなかなかに魅力的な結果!
ここで気になるのがDL数がどの程度増えたかという事です.


DL数予測


直接miniさんに聞くのが確実ですが,奥床しいkan.kikuchi氏は我慢我慢.なので,手持ちのデータで予測を行ってみました.


ランキング推移を漁ってるとちょっと前にランキングが急上昇している日を発見!

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これはファミ通Appさん(by あぷまがさん)に載せてもらった日です.
【個人開発ゲームを斬る】『箱庭RPG2』破壊的ボリュームで帰って来た大人気ドット絵RPG [ファミ通App]


この日のDL数が487DL,前日が64DLなので約400DLアップ!ありがたや〜


この記事を書いたあぷまがさんが運営している,超絶面白アプリ紹介ブログ「あぷまがどっとねっと」載せときますね!※ステマ
あぷまがどっとねっと


ランキング的にminiさんの方はもっとDLされてそうなので,500〜1000DL増ぐらいでしょうか.

そうするとCPIは20円〜10円,これはかなり良さげではないか…


思考実験


ただ,以前出稿した時はここまで効果を感じられなかったので,ちょっと思考実験をば.
前回出稿した時の額は今回よりも少ないが,1万円程度とminiさんと同じぐらい…しかし結果はほとんど出ませんでした.違う事と言えば単価をケチって4円(最低出稿価格)にしたことぐらい.


ここでダイスk…もとい上原氏がナイスアシスト!


自分の時は3日ぐらいかかったな〜…ん?

そもそも広告出稿はDL数を増やす目的ですが,広告で直接増やすと言うよりは広告によるDL数でランキングを上げて,ランキングからの流入増加を目指すのが普通だと思います.
つまり数日に分けてちょっとづつDL数増やすよりも一日でDL数増やした方が効果的!

当たり前やないか!orz


CPIも厳密に考えると,
CPI = 広告でのDL数 / 出稿費
では無く
CPI = (広告でのDL数 + ランキングからのDL数) / 出稿費
になるので,広告の効果を最大限に生かすにはやはり短期決戦が吉と出ました.

※広告でのDL数とランキングからのDL数が分からないため. アスタの場合,タグを付ける事で広告からのDL数が分かるそうですが今回は付けてませんでした.


確かに単価4円ならば8円よりクリックされる回数が倍になりますが,出稿期間が伸びてしまったらランキング的には意味が無いという…


よって,単価を前より上げて再挑戦です!


いざ出稿!


前置きが長くなりましたが出稿した結果を載せていきます.

出稿内容

  • 出稿アプリ:箱庭RPG2
  • 広告形態:asteriskのアイコン広告(アイコンはそのまま,アイコン下に箱庭RPG2と表記)

  • 出稿費:17,224円
  • 単価:4〜16円(平均9.7円)
  • 期間:11/21〜11/23


当初は単価を8円固定するつもりでしたが,予定していた出稿費を消費し切れそうも無いため単価を上げた後,上げても大差無かったため8円より下げたりしております.


出稿結果

Impは表示回数,Clickは広告がクリックされた回数,CTRは広告がクリックされた割合,利用金額は使用した金額,CPCは平均単価です.
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DL数がその日にダウンロードされた数,RPGがRPGカテゴリの順位,ゲーム総合がゲーム総合カテゴリの順位.赤文字が出稿期間中.
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見ての通り,思った程DL数もランキングも良くなっておりません!
DL数の基準を19日と20日から20DLとすると,増加したDL数は317DL!
CPIは17,224 / 317 = 54円!
つまり1DLあたり54円稼げば元がとれますね!ムリー

と言っても,実は54円というのは決して高くは無いっぽいです.

総合ランキング
250~500円程度
カテゴリーランキング
50~100円程度

株式会社D2C


ちなみにGAMEFEATにて個人が出稿出来る広告は1DL30円です.(枠制限有り)
ただしasteriskでは収益から広告出稿費へ転換すると15%上乗せ(3000円以上で)されます.


考察


当初の予定では,1〜2日で2万円ほど使ってゲーム総合300位以内を目指す予定でしたが全く思い通りに行きませんでした.
せっかくなので色々と考察を.


CTRが低い


思い通りにいかなかった最大の要因はCTRが低い,これに尽きます.
CTRが低いという事はいくら単価を上げて表示回数を増やしても,クリック数がそこまで増えないのでDL数も伸びません.

さてここで,広告出稿した別の方々を見てみましょう.





http://twitter.com/venomin_/status/403187055724732416


箱庭RPG2が0.1%程度だったのに対して皆さん0.4〜0.6%とかなり高い!
(hamonさんはCTRについて言及がありませんが一応参考に)
CTRが4〜6倍になれば単純計算DL数も4〜6倍になります.もちろんDL数が増えればそれだけ費用はかかりますし広告から流入だけを見ればCPIは大差無いはずです.
しかし上記で挙げたようにランキングの順位が重要になるため,短期間でDL数を伸ばせるCTRが高い方がCPIが良くなります


さてさて,この皆さんが出稿したアプリの共通点というとカジュアルゲームであるという事.もっと言えばキャラクターが棒人間であるというです.
そもそも広告が表示されるゲームはカジュアルゲームが圧倒的に多いため,その代表格かつ分かり易い棒人間アプリのCTRが高いのは当然と言えば当然ですね.

それに対し,箱庭RPG2はカジュアルゲーム*1ではありませんし,もちろん棒人間でもありません.
確かにゲーム内容はシンプルですが"RPG"というタイトルとリッチでハイクオリティなアイコンのおかげでカジュアルゲームユーザーにはウケなかったようです.
実はこれについては某開発者様が指摘しておりました.




これを見たのは出稿前だったのですが,ついつい効果のほどが気になって出稿に踏み切ってしまいました!
しかし後悔はしていない!


単価を上げてみた


CTRが低いのはどうしようもないので,とりあえず単価を上げてみる事にしました.
単価を上げれば表示回数が増え,それに伴いDL数増加&ランキング上昇!ランキングから流入が増え,結果的にCPIが下がる事を期待したのですが,そもそもそこまで表示回数が増えないという結果に. まぁCTRが1/5程度なので単純計算で表示回数を5倍にしなければ同程度の順位に行けないという時点で無理ゲーではあったのですが…
最終的にランキング上昇を諦め,どの程度の単価が最適なのかな〜と思って色々イジっています.


以下,単価毎に1時間/1円当たり広告表示数をまとめたもの.つまりどの単価がコスパが良いのか調べた結果で表示回数が多いほどコスパが良いという事です.
f:id:kan_kikuchi:20131127210246j:plain
まぁ単価の影響が一番強いとは考えられますが,曜日と時間による表示回数の増減を無視してるのでほとんど意味無いデータですけどね!オイ


ということで次は時間は固定したデータを,出来れば曜日も固定したい所ですがデータ不足なので悪しからず.
f:id:kan_kikuchi:20131127210608j:plain
左側が21時台,右側が16時台のデータとなっています.どうやら時間帯によってコスパの良い価格が変わりそうな匂いが…
また16時台で単価は8円と同じにも関わらず21日と22日で結構な差が見えることから,やはり曜日による影響もありそうですね.


とりあえず単価を上げれば上げるほど表示回数が上がるというわけではないですな.
最高価格を16円としたのは表示される広告の最高額が16円のモノが多いからです.今考えれば17円もやっとくべきでした…


ランキングの関係から考えると,重要なのはコスパでは無く,どの価格で表示回数増加に頭打ちが来るかということになります.
では何故コスパについて調べたかというと,リリース時を想定しての事です.

とりあえずランキング圏外からの復活に使用するには損が大き過ぎるという事が分かりました.
なのでリリース時(もしくはアップデート),つまりランキング上昇の主要因は新規アプリという点で,広告は補助に使う場合に効率よく出稿出来る様調べてみました.
CTRとの兼ね合いもありますが,とりあえず4円は辞めた方がいいかなという程度の印象ですw


脱線


さてさてデータ解析の真似事みたいな事をしてみましたが,どう考えてもデータ不足です.
本来なら条件を整えて何週も出稿したり,多数のアプリで比べたり,もしくはアイコンやタイトルを変えたりと色々するべきなのでしょうが,そんなお金はありません!カネクレ


そういえばこんな話もありました.
45万回のアイコンABテストにみる、ダウンロードされやすいアイコンの特徴とは? | 佐藤航陽のブログ
見た時から胡散臭いな〜とは思っていたのですが,せっかくなので私なりの見解を.

世界中の様々なジャンルのアプリのアイコンでこれまで45万回ほどテストしてもらい、そのデータを基にダウンロードされやすいアイコンの共通点を洗ってみました。

45万回と聞くと凄そうですが,そもそもこれが何の回数なのかを示していない時点で信憑性がありません.実験では結果よりもまず条件や内容を詳しく記すのが絶対条件です.
まず思い付くのがアイコン広告の表示回数ですが,そうすると今回の私の出稿ですら100万回を超えているので,それより低いということはデータが少な過ぎます.


さらに各事例について1つか2つしか具体例を挙げていない点も信憑性を欠く要因です.
確かに各事例の影響は出そうですが,その影響があるという前提でそれに合うデータを探したという印象が拭えません.
そもそも例外無く全ての事例で上手くいったという方が不自然なので,個々の事例を出した後に平均値等の全体の事例を出すのが通例のような気がします.


そして最大の疑問点はCTRの増減が0.1%未満で優位差が出たとしている所です.さすがにこれは無理やりな気がします.
今回の出稿では全く同じ広告ですら0.03%の差がありますし,各棒人間のアプリと比べると0.3%以上も違います.


またクリックされた回数のうち,どれだけDLされたかを表すCVRを比べています.
しかし,CVRはアイコンの影響だけでなく,ストアのスクリーンショットや紹介文,評価値及び評価数等々,アイコン以外の影響が有り過ぎてこの検証では比べられるものでは無い気がします.


なぜこのような事を書いたかと言うと,ふとこの記事を思い出し,そう言えば参考になるという方が多かった気がするな〜と思ったからです.
この疑問がどうなのか疑問に思う今日この頃です.ギモンガギモン???ウヒャー


最後に


最後に大きく話がズレましたがまとめです.

  • 個人が圏外よりランキング復帰を目指すには不向き
  • ただし,カジュアルゲームであれば可能性はなきにしもあらず
  • 棒人間ならなお良い
  • 確実にDL数は増えるので,新作出した時の簡易ブーストとしては使えそう


そんな感じで,自信作が出来た時にはまた出稿しようかと思います.



*1:ここでは簡単な操作で短い時間に楽しめるゲームという意味で