はじめに
皆さんはゲームを遊んでいて、
「このゲーム、〇〇したら絶対面白くなるのに」
とか
「こんな仕様、無くした方が絶対楽しいよ」
みたいに思った事はありませんか?
そのように愚痴をこぼしながらプレイするというのも一つの楽しみ方かもしれませんが、一歩進んで「なぜその仕様が無い(もしくは有る)のか」を考えてみるのも、実は面白かったりします。
(特にゲーム開発者の場合は他所の仕様の理由を考えるのは、企画の勉強や練習にもなるのでオススメ)
既に検討された上で却下されたものかもしれない
というのも外部の人間が考える「これがあったら(無い方が)良いのにな」は、既に検討された上で却下されたものが多いからです。
そして、却下されるという事はそれなりの理由や意味があります。
例えばプレイヤーに選択結果をそのまま受け入れてほしいと、手動セーブは出来ないようにしたり、
決断によって遭遇した結果の“良し悪し”ではなく、たとえ予想だにしないような出来事だったとしても、プレイヤーが選択をした結果を受け入れてほしい
ドキドキしたプレイ感を得られるように選択の結果が簡単には分からないようにしたりと、実に様々な理由があります。
どれほどの情報を持ちうるかによって、プレイヤーの行動やゲームのプレイフィールは変わるだろう。そのため、Balatroもまた、スコアプレビューを隠すことでプレイヤーにより早く行動することを促し、ハンドをプレイするたびにドキドキハラハラのドラマが生まれるようにしている。
良い仕様にするのは簡単ではない
この手の問題でよく聞くのが「他のゲームは〇〇だからそうした方が良い」という話ですが、残念ながらそんなに単純なものではなく、そのゲームのシステムや目指す体験によって正解が変わるので、例え似たゲームであっても同じ仕様でいいとは限らないのです。
また、「オプションで切り替えられるようにすればいい」というのもあるあるですが、これもそのゲームの体験に大きく影響する場合には簡単には採用できない方法です。
なぜなら、プレイヤーが必ずしも自分に最適なオプションを選べるとは限らないですし、結果的に本当に提供したかった体験が壊される恐れがあるからです。(難易度に関する要素は特に)
ただし、デフォルトで選べるオプションではなく、ゲーム終盤やクリア後のアンロック要素(おまけ、特典)として提供するみたいなパターンであれば、比較的体験への影響は少なく出来るとは思います。(もちろんゲームによる)
おわりに
このように、一つの仕様や影響範囲を限定的に考えると簡単な話でも、ゲーム全体の仕様や体験で考えると難解なパズルのようで、理由が推測出来た時は結構スッキリしたりします。
(本当に正解かは基本的に分からないし、単純に実装コストとの費用対効果からという理由もよくあるが)
その仕様自体はプラスでも他のより重要な良さを消してしまったり、逆にその仕様だけではマイナスだがそれをプラスに変える他の要素が入ってたりと、他所のゲームの仕様を細かく調べて考察すると色々な事が見えてきたりもするので、ゲーム開発者の方に特にオススメな遊び(?)です。