(:3[kanのメモ帳]

個人ゲーム開発者kan.kikuchiのメモ的技術ブログ。月木更新でUnity関連がメイン。

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本ブログの運営者kan.kikuchiが個人で開発したゲームです!


Twitterのオートプロモート(月額9,900円広告)を使った413日分のデータと知見【Twitter】【プロモーション】


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はじめに

Twitterにはオートプロモートという月額制の広告があります。



実はこのオートプロモートを以下のアカウントでサービス開始当初から利用しているので、



その1年以上のデータを公開してみようというのが今回の記事の趣旨です。

ついでにオートプロモートについてのアレコレも書いているので、

オートプロモートを使おうと思ってた人や気になってた人の参考になれば幸いです。


先にオートプロモートがどんな感じがざっくり説明すると、

「手間がかからない定額の放置型広告で、Twitter上での活動をちょっとだけブーストしてくれるもの」

と言った感じ。


また、参考に僕が考えるオートプロモートが向いてる場合と、向いていない場合はまとめてみました。


向いてる場合(オススメ出来る場合)

  • 小規模な企業やクリエイターのアカウント
  • そのアカウント自体を広めたい
  • 手間をかけたくない
  • 定期的に情報を発信している
  • ほとんど毎日ツイートをしている

具体的には個人開発者やブロガー、Youtuber(VTuber)などのアカウントです。


向いてない場合(オススメ出来ない場合)

  • 趣味アカウント、プライベートアカウント
  • 既に万単位でフォロワーがいるアカウント
  • アカウントではなく商品を宣伝したい
  • きっちりデータが欲しい、細かく分析したい
  • ツイート数が少ない
  • 短期間でフォロワーを急増させたい
  • 宣伝にお金をかけたくない

具体的にはある程度著名なアカウントや、新作(ゲームとか)の宣伝を短期で一気にやりたい場合などです。


オートプロモートとは

そもそもオートプロモートとはなんぞやという話からですが、公式では以下のように説明されています。

オートプロモートは、これまでの広告の概念を変える、運用のいらない定額制のTwitter広告です。通常のTwitter広告も含めたこれまでのオンライン広告は、キャンペーンの詳細な設定や入稿作業、配信中の継続的な運用管理が必要でした。しかしこれらの運用には時間と手間、ある程度の予算を要し、企業やマーケターの環境によっては十分に効果を発揮できないことがあります。オートプロモートは、そのような悩みを解消し、もっと多くの方々に「楽しく」「簡単に」「お得に」利用いただけるように開発された新しいTwitter広告です。


ざっくりまとめると、「手間が一切かからない定額(月額9,900円)のTwitter広告」という感じ。

いわゆる普通の広告であるTwitter広告とは全くの別物です。


このオートプロモートを使うと、自分の普通のツイート(広告用に作成したツイートではなく)を

Twitter上に「プロモーション」として表示し、宣伝する事が出来ます。


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また、ツイートのプロモとは別に

アカウト自体の宣伝もプロモアカウントキャンペーンとしてやってくれるようです。



ただし、プロモアカウントキャンペーンの方はいつ、どれぐらい表示されるているのかは分かりません。


オートプロモートの仕様

オートプロモートは結構特殊な仕様をしているので、そこら辺について詳しく説明していきます。


ベータ版

まず前提として、現時点でオートプロモートはベータ版(正式版ではない)なので、

今後大幅に仕様が変わったり、機能自体が無くなる可能性がある点には注意が必要です。


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ちなみにベータ版は1年以上続いていますが、

その間に機能は特に変わっていませんし、大きな変化があったわけでもありません。


ヘルプは情報不足、問い合わせは機能してない

オートプロモートとそれに関するヘルプが以下のページになります。




ただ、情報がかなり少ないので、細かい仕様については分かりません。

そんな時は以下のページから問い合わせる事も出来ます。



しかし、実際は問い合わせをしてもテンプレ回答が返ってくるだけで、

聞いてる事には一切答えてもらえず、

TwitterBizJPというアカウントに問い合わせるように言われます。


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そしてそのTwitterBizJPに問い合わせてみた所、「先ほどのページから問い合わせをするように」と、

無限ループが発生するので、問い合わせは機能していなかったりします。


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また、「ヘルプからの問い合わせの返信にTwitterBizJPに聞けと言われた」という事を伝えた上で、

再度TwitterBizJPに質問した所、返信はありませんでした。


なお、前はTwitterBizJPに問い合わせると、

「ヘルプに載っていない事を聞いてるのにヘルプのリンクが送られてくる」

みたいな事がありながらも、ある程度は回答してもらえたので、

問い合わせ先変更による、一時的な混乱の可能性はなくもないです。





料金は定額で自動更新、解約は出来るが再開はできない

料金は月額9,900円固定なので、

「ちょっとお試しに減額」や「もっと広告を出したいから増額」みたいな事は出来ません。


また、他の定額制サービスと同様に自動で更新されますし、解約も出来ます。

解約時は日割り等での返金はなく、広告配信が期日まで続く感じです。(別途、広告の停止は可能)


ただし、一度利用を開始した後に解約をすると(少なくともベータ版の間は)再開出来ないようです。


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料金は月額でもないし、30日区切りでもない

さきほど月額と表記しましたが月単位で払うわけではなく、30日ごとでの支払いになるので、

「月の途中から始めたから損」という事はありません。


ただ、より正確に言うと、公式の言う「30日ごと」というのも実は間違いだったりします。


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なぜかと言うと、期間は"当月の広告開始日 ~ 翌月の広告開始日-1日"になっているからです。

例えば2/6に広告を始めたとすると、2/6 ~ 3/5に一区切り、3/6 ~ 4/5が次の一区切りといった感じです。


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なので、月の日数によっては広告期間は30日を下回り、ちょっと損をする事もあります。


プロモされるツイートは1日10件、指定や除外は出来ない

プロモされるツイートは毎日最初の10件(繰越なし)と決まっていて、

「これをプロモしたい」「これはプロモしたくない」のように取捨選択はできません。

(一応、広告の一時停止(解約ではなく) → ツイート → 広告の再開とする事で除外する事は可能)


なので、ツイート数が少ないとそれだけプロモされる可能性が減るという事になります。


ただし、最初の10件であっても広告ポリシーに反してるものはプロモされません。



また、リツイート(コメント付き含む)や返信(自分へも含む)、いいねはプロモされません。


ただ、広告ポリシーに反していないと思われるようなツイートでもプロモされない事はよくありますし、

1日に10件以上プロモされている場合もあります。

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さらに「プロモはされない」と公式に書かれている

返信がプロモーションされているのを見たりもするので、結構このあたりもあやふやです。


細かい配信先の設定は出来ない

オートプロモートの配信先の設定はターゲッティングしか行えず、

そのターゲッティングも「興味関心」か「地域」のどちらかのみです。

(「興味関心」を選んだ場合は、アカウントを作成した時の国にのみ配信)


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詳細なデータの解析は困難

オートプロモートの結果は各ツイートごとのツイートアクティブで見られますが、

(青が通常、黄色部分がオートプロモートでの結果)


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累計で表示する際は、リンクのクリック数などは分からず、

「期間を指定してその累計だけを見る」みたいな事も出来ません。

また、リーチした数はプロモだけの数値は表記がありません(%から計算は出来る)し、

プロフィールのアクセスは%もないので、プロモだけの数値を計算する事も出来ません。

さらに、プロモされたツイートがどれなのかは一つ一つのツイートを確認しなければ分かりません。


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このように詳細なデータ解析をやりたい場合は自分で数値を集計する必要があります。


プロモされる回数は反応によって変動する

ツイートがプロモされる回数は決まっておらず、

ユーザーからの反応(RTとかいいねとか)が多いほどより増えるようです。(上限はある)


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オートプロモート


なので、出来るだけ反応が貰えそうなツイートをした方がお得という事になりますが、

反応が多くても広告回数が少ない事もあるので、反応だけで決まるわけではないようです。


なお、広告の表示回数が1回という事もわりと良くあります。

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オートプロモートの結果と考察

さて、やっとここから本題のオートプロモートの結果(データ)についてです。

ついでにそれに関する分析や比較、考察なんかも書いてみました。


オートプロモート413日分のデータ

実際に自分が実施した、オートプロモートの結果を期間ごとにまとめたデータが以下のものです。

なお、リーチは広告として表示された回数、プロモは広告されたツイートの数、

リーチ[回/プロモ]は広告されたツイートの表示回数(インプレッション)の平均、

フォロワーは広告されたツイートから増えたフォロワーの数になっています。

また、/月となってるそのがその期間内での合計、/日となっているのが1日あたりの平均です。

さらに青字が一番良かった値、赤字が一番悪かった値になります。


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上記のデータを合計したものが以下の表、


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全期間の平均をまとめたものが以下の表になります。


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ツイート数を増やしても効果は薄い、そもそも運用で広告の表示回数を変える事は困難

まず、プロモとリーチの相関係数を求めてみたところ-0.07と全く相関がありませんでした。

つまり、広告されるツイートの数が増やしても、

広告として表示される合計回数が増える可能性は低いという事です。

(もちろん、最低限のツイートを毎日する必要はある。)


なので、とにかくツイート回数を増やして、プロモされるツイートを増やすよりも

1つのツイートが広告として表示される回数を増やした方がより効果的であるという事になります。


前述の通り、広告の表示回数はRTやイイネなどの反応が多いほど増えるらしいので、

オートプロモートの観点から見ると、ツイートは量より質で運用した方が良さそうです。

ただ、これも前述の通り、反応以外の要因も広告の表示回数に関わってくる点には注意が必要です。


そもそも、リーチ[回/プロモ]が最大10倍もの差が出ていたり、全体的な数値がバラけすぎていたりと、

同じアカウントかつ、ほぼ同じ運用のデータにしてはまとまりがないので、

アカウントの運用方法を変えることで広告の表示回数を大きく増加させる事は難しそうでした。


公式が出してる平均はあてにならない

公式では平均月間3万リーチ、および平均30人の新規フォロワーが一つの目安とされています。


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Twitterオートプロモートのヘルプ


先程のデータを見てもらうと分かる通り、

新規フォロワーの方は全ての期間において公式の目安を超えていますが、

リーチ数が公式の目安を超えたのは最初の1回だけで、場合によっては1/10近くにもなっています。


そもそもアカウントやツイートの質に大きく影響される新規フォロワー数とは違い、

リーチ数はTwitter側でどうにでも出来る(むしろこちらではどうにも出来ない)にもかかわらず、

ここまで目安を超えていないのは不誠実な印象が拭えません。


ちなみにリーチ数と新規フォロワーにはそれなりの相関(相関係数0.62)があったので、

単純にリーチ数を増やしてくれれば、フォロワー数も増えそうです。


おわりに

最初はオートプロモートをオススメするために記事を書き始めたのですが、

色々な面で不誠実さが顕になってきて、否定的な事が多い記事になってしまいました。


ただ、個人的には結構良いサービスだと思っています。


というのも、以下のような考えで活動をしるので、

もともとアカウント自体を広めたいという目的があり、

個人開発で食べていく事を考えると、作ったゲームや技術ブログを単体で宣伝するより
それらも含めたkan.kikuchiという個人として広めていった方が良いだろうと考えたからです。


さらに出来るだけ手間をかけたくないという思惑もあったので、

オートプロモートというサービスが目的に合致していたのです。


つまり、サービスの基本的な内容は良いので、あとは月々のインプレッションを安定させて、

ヘルプや問い合わせの対応をもっとしっかりしてほしいという感じでした。