(:3[kanのメモ帳]

個人ゲーム開発者kan.kikuchiのメモ的技術ブログ。月木更新でUnity関連がメイン。

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Unityライセンス(プラン)の料金変更の件で、一番の問題は信用問題なのではないかという話【Unity】【雑記】


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はじめに

Unityのライセンス料金の変更が発表されましたが、

これがなんとインストール数に応じて料金を払うという前代未聞の方式で、



主にUnityを使ってるゲーム開発界隈では大きな波紋を呼んでいます。(公式フォーラムも結構荒れてる)


と言っても、ライセンス料を払う閾値がかなり高いので、小規模な開発では関係なさそうですし、

(場合によっては料金が安くなる場合もある)

Unity Personal または Unity Plus を使用している場合:過去 12 か月の収益が 20 万米ドル以上で、かつ、サービス継続期間中のインストール数が 20 万回以上。
Unity Pro または Unity Enterprise を使用している場合:過去 12 か月の収益が 100 万米ドル以上で、かつ、サービス継続期間中のインストール数が 100 万回以上。

Unity のプランの価格設定とパッケージの更新 | Unity Blog


仮に閾値を大きく越えるものでもUnity Proであれば1本辺りの料金もそこまで上がらないので、

有料ゲームや単価が高い(課金主体?)無料アプリでは値上げではあるが致命的という程ではなさそうです。

ただし、DL数が多いが単価が高くない(広告主体?)無料アプリは大打撃ではあると思います。

Unity のプランの価格設定とパッケージの更新 | Unity Blog


なお、色々気になる事はありますが、情報が錯綜してて細かい部分の正しい情報が分からないので

とりあえず公式フォーラムのQ&AをDeepLで翻訳したものだけ置いておきます。

(記事執筆時点のQ&Aで、今後変わったり追加されたりすると思います。)

Q: インストール数はどうやって集めるのですか?
A: 当社独自のデータモデルを活用しています。それによって、あるプロジェクトでランタイムが配布された回数を正確に判断できると考えています。

Q: unityで作られたソフトウェアは、enterpriceライセンスであっても、実行されるたびにunityにホームコールされるのですか?
A: ランタイムのインストール回数のカウントには、多数のソースからデータを収集する複合モデルを使用しています。Unity Runtime FeeはGDPRとCCPAに準拠したデータを使用します。要求されているデータは集計されたもので、課金目的で使用されています。

Q: ユーザーがゲームを再インストール/再ダウンロード/ハードウェアを変更した場合、複数インストールとしてカウントされますか?
A: はい。クリエイターは今後のすべてのインストールに対して支払う必要があります。Unityはエンドプレイヤーの情報を受け取らず、集計データを受け取るだけだからです。

Q: 閾値を超えるほどの収益を上げたゲームに同じゲームのデモがある場合、デモのインストールも課金対象となりますか?
A: アーリーアクセス、ベータ、あるいはゲーム本編のデモであれば、そうです。デモからゲーム本編に移行できるのであれば可能です。そうでない場合、例えばアップグレードできない単一レベルであれば、そうではない。

Q: ゲームの海賊版に課金されないようにする方法は?
A: 同様の問題を解決している当社のAdsテクノロジーには、すでに不正検出のノウハウがあります。私たちは、ユーザーがこの件について懸念を抱いていることを認識しており、不正コンプライアンスチームに懸念を提出するためのプロセスを利用できるようにします。

Q: 生涯インストール数のトラッキングはゲームのライフサイクルのいつから始まるのですか?ベータ版は閾値にカウントされますか?
A: インストールの各初期化は、ライフタイムインストールにカウントされます。

Q: これはWebGLやストリームゲームに影響しますか?
A: すべてのプラットフォームのゲームが料金の対象となりますが、インストールと収益の両方のしきい値を超えた場合にのみコストが発生します。インストール(クライアント・デバイス上でのランタイムの初期化を含む)は、すべてのプラットフォームで同じようにカウントされます(WebGLとストリーミングを含む)。

Q: この料金は、発売からすでに何年も経っているゲームにも適用されるのでしょうか?もし2年前に基準を満たしたのであれば、1月から毎月インストールされた分の料金を支払うことになりますよね?(理論上は)。
A: はい、ゲームが適格であり、Unityランタイムを配布している場合、ランタイム料金が適用されます。ゲームのライフタイムインストール数を見て、ランタイム料金の適格性を判断します。その後、2024年1月1日以降に発生するすべての新規インストールに基づいてランタイム料金を請求します。


そしてここからがこの記事の本題なのですが、この件に関しての個人的に

一番の問題は料金よりも信用問題なんじゃないかな〜と思ったのですが、

Twitter(X)に書くには長くなりそうなので記事にまとめてみました!


信用問題

おそらく今回の発表が「Unity Proの値段が上がります」というような普通の値上げだったら

不平不満は出るもののここまで反響はなかったのではないかと思います。


ではなぜ反響が大きかったというと、今まで固定料金だったのに

「急に全く違う形式の料金を追加してきたという不信感」からではないかと思いました。

しかも、その料金の指標がダウンロード数という大手ゲームエンジンでは前例がない上に、

再インストールや昨今の個人情報の扱い方を考えると正確に測定出来るか怪しく、

(ゲーム1本辺りの単価が違うので)ライセンス料の指標として不適切に思えることが拍車をかけています。


これであればUnityと比較されがちな

UEのライセンス料(100万米ドルを超えた場合に5%)の方が分かりやすくて納得感がありますし、

このUEのライセンス形式が嫌でUnityを使ってる人を最悪の形で裏切った事にもなります。

Unreal Engine のコードを組み込んだ市販向け製品(ゲームなど)を配布する場合のみ、5% のロイヤリティが発生します。リリース フォームを使用して期限内に弊社に通知した場合は、その製品のライフタイム総収入が100万米ドルを超えた場合にのみ、ロイヤリティを支払う必要があります。つまり、最初の100万米ドルに対してはロイヤリティが控除されます。

Unreal Engine よくある質問 (FAQ)


さらにUnityの他のサービスを使えばこのライセンス料が減るかもしれないという記述がある事から、

特に広告関連のサービスへ誘導(場合によってはほぼ強制)するための変更なのではないか

という意見すらありました。

Unity Gaming Services やモバイル広告に対応したゲーム向けの Unity LevelPlay メディエーションなど、エディター以外の Unity サービスの採用状況に基づいて Unity Runtime Fee に対してクレジットをご利用いただける場合があります。

Unity のプランの価格設定とパッケージの更新 | Unity Blog


確かに現状ほとんどの開発者には影響はありませんが、

「急に今までと全く違う形式の料金が追加」されたという事実が出来てしまったので、

今後、今回は関係なかった開発者にも影響のある

「急に今までと全く違う形式の料金が追加」される可能性が出てきたという事、

つまり「ライセンス料がこれからもそんなに変わらないであろう」という信用が下がったという事です。


再度UEと比較すると、UEは過去にライセンス料の条件が緩和されたり、

(しかも過去に遡って返金まであったらしい)

UE5を使用して製作したゲームがリリースされた際も、粗収入が100万ドル(日本円にして約1億円)を達成するまではロイヤリティが免除されるとのこと。
これは2020年1月以降にリリースされたUE4製タイトルにも有効で、既にロイヤリティを払ったぶんについては対応があるそうです。


Epic Gamesで出せばロイヤリティを免除(そもそも手数料12%と激安なのに)されたりと、

収益の88%はデベロッパ様の取り分となります。タイトルの規模や販売本数による条件の変動は一切ありません。Epic Gamesは残りの12%が取り分となります。さらに、Unreal Engineをご利用のデベロッパ様は、Unreal Engineの使用料としていただいている5%のロイヤリティにつき、Epic Gamesストアを経由した売上に関しては、Epicの12%の中から賄わせていただくものとします。


少なくともライセンス料に関する印象が良い = 信用は高いと思っています。(別途Appleの件はあるが)


もちろんUnityもUEもライセンス料含めて今後どうなるかは分かりませんが、

分からないからこそ前例から判断するしかないわけで、

信用が下がった事自体にそれなりに悪影響があるんじゃないのかな〜大丈夫なのかな〜

と思ったという話でした。


おわりに

余談ですが、今回の件で個人的に最も恐ろしい展開は、個人開発でもライセンス料が上がる事ではなく、

大手企業にUnityが見限られる事だったりします。


いわばUnityを使ってる個人や小規模開発者大手企業というのは

ソシャゲにおける無課金&微課金ユーザ重課金ユーザに近い関係だと思っているので、

重課金ユーザが全然いなくなってサービス縮小どころか撤退もありえるのが怖いといった感じ。

(なんならソシャゲと違って重課金ユーザだけでも成り立つので、より重要かも?)


仮に、大手企業のUnity利用が減った際に問題なくUnityがそのまま続いたとしても、

仕事(就職)に使いにくくなる事は間違いないので、

使う人が徐々に減り関連情報も減れば今より衰退する事は免れないかもしれないというのもあります。


今回の変更だけなら、さすがに大手がいきなりUnityを全く使わなくなるという事はないと思いますが、

信用問題の件もあって徐々に避けられるようになったら嫌だな〜みたいな事は思っています。


まぁ全て杞憂に終わってUnityがなんの問題もなくずっと人気で使い続けられれば嬉しいですが、

最近UEFNにハマってるという事もあって、




今後の保険としてちょっとずつUEの勉強もして、1本ぐらいはゲームを出したいと考えたりもします。