はじめに
今回は『Unite Tokyo 2019』の講演の動画を見て勉強しつつ、
ついでに記事にまとめちゃおうという感じのやつです。
そして、題材にする講演は、
開発から運用まで、デベロッパーをサポートするUnity Servicesです!
ゲームやコンテンツの制作をもっと効率よく、もっと便利に、そしてさらに良いモノを作れるように。Unity Servicesは開発・運用のフェーズでデベロッパーを様々な側面からサポートします。ここでは各サービスの概要の説明と、どんな場面で活用できるのかを解説します。
出演:
鎌田 泰行(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 フィールドエンジニア)
UnityはUnityエディタ以外にも、
ゲーム開発に関わる様々なサービスをUnity Servicesという形で提供しています。
Unity は、ゲーム開発はもとより、オーディエンスをひきつけ、維持し、収益につなげるさまざまな無料サービスを提供しています。
このUnity Servicesの各サービスの概要や料金、メリット&デメリット、使い所などを
上記の講演で紹介しているので、
今回の記事ではそのうち運用編で紹介されているものをまとめてみました。
なお、開発編の紹介は前回の記事でまとめています。
Analytics
Analyticsはプレイヤーの行動データを収集し、分析するサービスです。
機能をONにするだけでアクティブユーザやリテンションを計測する事が可能ですし、
ゲームで一般的に使われるイベントを送る機能も付いています。
ちなみに本ブログでも紹介記事を書いていたりします。
(古い記事なので、情報も色々古い可能性がある点には注意)
使用例
Analyticsはダッシュボードでアノテーション(注釈)を追加出来るので、
何が起きたのかをメモし、それによりどれぐらい効果が出ているのかを確認出来ます。
「日本」「Android」「ゲームを初めて3日以内」等の絞り込みも可能。
ProかPlusのライセンスを持っていれば、発生しているイベントをリアルタイムで確認する事も出来ます。
Market Insightsからは、世界のUnity製アプリがどんなスペックの端末で遊ばれているかを確認出来ます。
CPUやメモリ、OSなどの項目があり、開発時にどれぐらいのスペックを目標にするかの指標になります。
使い所
Analyticsはお金がかかるわけでもないので、とりあえずONにしとけば良さそうです。
ちなみに、近年シビアになってきている
ヨーロッパでの個人情報の取り扱い周りにもちゃんと対応しているそうです。
ただし、Unityに相談する事は出来ても、Unityから法的助言をする事は出来ないらしいです。
Ads
Adsはモバイルアプリに簡単に動画広告などの広告を組み込めるサービスです。
ちなみにこれも本ブログでも紹介記事を書いていたりします。
(これまた古い記事なので、情報も色々古い可能性がある点には注意)
UnityAdsをUnityで実装してみたら簡単過ぎた件【Unity】【Unity Services】【広告】 - (:3[kanのメモ帳]
新しく書き直しました!
メリット
上記の紹介記事でもある通り、Adsは本当に簡単に組み込めます。
また、動画広告は同じ動画が連続して出ませんし、在庫切れも起きにくいです。
さらに課金アイテムの宣伝枠としても使えるそうです。
Remote Config
Remote Configは今まであったRemote Settingsの進化版で、
リモート上かつリアルタイムにゲームの設定値を変更するためのサービスです。
ちなみに、やっぱりこれも本ブログでも紹介記事を書いていたりします。
(比較的新しい記事ですが、Beta版なので大きく情報が変わる可能性がある点には注意)
出来ること
Remote Configはサーバーの値を使って、ゲーム内の振る舞いを変える事が出来るので、
色々な事が実現可能ですし、アプリをアップデートしなくても中身の更新が出来るようにもなります。
また、一定期間だけ値を変える(期間限定イベント等)、 一部ユーザにだけ機能を開放する(ベータテスト等)
と言ったゲームでよくある機能を簡単に実装する事も出来ます。
ちなみに値の変更はUnityエディタやダッシュボード上から行えますし、REST APIを使う事も出来ます。
GameTune
GameTuneはUnityが持っているビックデータと機械学習を使って、
一人一人のプレイヤーに最適なゲーム体験を出来るようにするサービスです。
なお、現状クローズドβのような状況なので、使いたい場合には申込みが必要です。
出来ること
例えば、継続率を上げるためにチュートリアルを改善しようとした場合に、
一律で内容を変えると、ユーザによっては長過ぎたり、逆に短すぎたりといった事が発生します。
そうなるとユーザごとにチュートリアルの内容を変えたくなりますが、
そもそも新規ユーザなので、どんなユーザなのかという情報は一切なく、これも難しいです。
こんな時にGameTuneを使えば、
新規ユーザであっても、そのユーザに適した設定を予測し、教えてくれます。
仕組み
GameTuneの仕組みをざっくり箇条書きにすると以下のような感じ。
- ゲームからGameTuneに質問と選択肢を投げる(チュートリアルは短いの?長いの?等)
- GameTuneはUnityの機械学習サーバーに問い合わせ
- 適切な答えを導きだして、ゲームに返す
- その答えを使ってゲームを実行
- そのユーザがどうなったのかをGameTuneに投げて学習させる
- どんどん精度が上がっていく
使い所
(運用型のアプリであれば)GameTuneはとにかく使うべきらしいです。
ABテストが過去の物になり、次世代のゲーム開発と言っても過言ではないそうです。