(:3[kanのメモ帳]

個人ゲーム開発者kan.kikuchiのメモ的技術ブログ。月木更新でUnity関連がメイン。

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Odinを使ってシーン内を検証し、Inspectorでの設定に問題のあるオブジェクトを見つける【Unity】【アセット】【Odin】


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この記事でのバージョン
Unity 2017.2.0f3


はじめに

以前にInspectorを圧倒的に使いやすくするOdinというアセットを紹介したのですが、

Odin - Inspector and Serializer - Asset Store


このOdin、Inspectorを使いやすくするだけでなく、なんとシーン内を検証し、

Inspectorでの設定に問題のあるオブジェクトを見つける事も出来るのです……!


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という事で今回はその方法についての記事です。


Scene Validator

シーン内を検証し、Inspectorでの設定に問題のあるオブジェクトを見つけるには

Scene Validatorを使います。


Tutorials | Learn how to improve your workflow in Unity using Odin Inspector


Scene Validatorを使うと以下のように、検証結果一覧を表示する事が出来ます。


f:id:kan_kikuchi:20180104073302j:plain


問題のある箇所をクリックすると、そのオブジェクトが強調されますし、

このWindowでそのまま修正する事も可能です。


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なお、開き方はTools -> Odin Inspector -> Scene Validatorを実行するだけ。


f:id:kan_kikuchi:20180104063254j:plain


検証内容の設定

次に具体的な検証内容の設定方法です。検証内容は属性で設定します。


Required

Requiredを付けると、Inspector上での設定(紐付け)を必須に出来ます。

設定していない場合はScene ValidatorやInspectorでエラーが表示されます。

//カメラ(Inspector上で設定する)
[Required]
public GameObject Camera = null;

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なお、エラーの文言を変えたり、警告等に変更する事も出来ます。

//エラーの文言を変更
[Required("カメラがInspector上で設定されていません!")]
public GameObject Camera1 = null;

//エラーではなく警告に変更
[Required(InfoMessageType.Warning)]
public GameObject Camera2 = null;

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ValidateInput

ValidateInputを付けると、Inspector上で設定した値を検証出来ます。

検証でおかしな結果になる場合はScene ValidatorやInspectorでエラーが表示されます。

なお、検証は以下のように第1引数で指定したメソッドで行います。

//カメラ(MainCameraのTagが付いたオブジェクトを設定する)
//第1引数 : 検証用のメソッド名, 第2引数 : エラーメッセージ, 第3引数 : メッセージの種類
[ValidateInput("IsMainCameraTag", "MainCameraのTagが付いたオブジェクトを設定してください!", InfoMessageType.Error)]
public GameObject Camera;

//検証用のメソッド、入力が設定したい変数の型、返り値がbool(入力されたGameObjectのTagがMainCameraどうか)
private bool IsMainCameraTag(GameObject target){
  return target.tag == "MainCamera";
}

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SceneObjectsOnly

SceneObjectsOnlyを付けると、

設定するオブジェクトをシーンに配置してあるオブジェクトに限定できます。

シーン外のオブジェクトを設定するとScene ValidatorやInspectorでエラーが表示されます。

//シーンにあるオブジェクトを設定する
[SceneObjectsOnly]
public GameObject SceneObject = null;

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AssetsOnly

AssetsOnlyを付けると、設定するオブジェクトをProjectのアセットに限定できます。

SceneObjectsOnlyとは違い、

そもそもシーン内にあるオブジェクトは設定出来ません。(なのでエラーも出ません。)


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今回の趣旨とはちょっと違いますが、似た機能という事でついでに紹介してみました。


おわりに

ただ属性を追加出来るだけで有用だと思ってたOdinですが、

今回紹介した検証機能だけでも十分過ぎる効果を発揮します。

問題を発見出来るのは当然嬉しい事ですが、「問題がない」という事が確認出来るのも良いですよね!

Odin - Inspector and Serializer - Asset Store